2027年向け学習に関するアドバイス

2026年09月15日

「定年後の開業は可能ですか?」というご質問が、例年あるのでお応えしておきます。

[回答]

結論から申し上げますと「可能」です。
今までに社労士の仕事らしき仕事に携わってきていなくても大丈夫です。

ただ、コミュニケーション能力や観察力に長けていて、様々な業務、職場をこなしてきている人ほど有利だと思われます。
また、社労士の業務をこなしながらも、常に前向きに知識(たとえば判例、統計など)を身につけていくことや、情報(たとえば改正など)に精通していくことを追求していくことができる人であればあるほど、成功する可能性が高くなると思われます。

たとえば、次の記事には、可能な資格が掲載されています。
「計16士業のうち定年後のシニアが取得しやすい資格とは|トップ5を徹底解説」

このトップ5の中の2位に「社労士」が取り上げられています。

1位 行政書士
2位 社会保険労務士
3位 FP技能士
4位 司法書士
5位 税理士

ただ、たとえば、3位の「FP技能士」の場合には、定年後の開業も可能ではあるものの、仕事内容がおそらく富豪相手の「資産運用・相続関係」、又は一般顧客に対しては「執筆・講演」などになってきますので、定年前の職業が証券会社(又は銀行、場合によっては不動産)などの金融関係等に勤めているなどの一定の勤務経験・業務知識があることが前提となってくると思われます。
(「保険の見直し」や「生活設計(提案書)」でもお金を稼ぐことができるもののたいした金額にはなりません。)

その点、社労士は、定年前に給与計算等の実務に携わっていなくても、今までの社会人経験がものをいう仕事です。
というのも、最近では、手続き業務は当然のこととして、提案できる社労士、経営者の悩みを解決できる社労士が求められているからです。

中小企業の経営者は常に孤独であり、人事労務絡みで何か問題が起きた場合には、相談できる相手がいません。
人事労務絡みの問題は、ナイーブな問題であり、プライバシーにもかかわるため、安易に従業員に相談する訳にはいきません。
税理士に相談しても「そこは税理士の業務を逸脱していますので相談にはのれません。」と下手に相談に応じて大変な事態になると責任問題となりますので断られます。
訴訟になれば弁護士が必要ですが、単なる相談では弁護士としてはお金にならないので、円満な解決の手助けにはならないことが多いのも事実です。

昨今、企業のコンプライアンス重視が叫ばれていますし、働き方改革の推進も相まって、人事労務に関するトラブルが多く、経営者の頭を悩ませています。
社労士の場合、給与計算をしていると、社員の勤怠がわかりますので、「Aさんは最近、休みがちですが大丈夫ですか?」などと経営者に声をかけることができます。
休みがちな社員は、不安や不満を抱えていることが多く、これらのことを早めに対処できると、事前にトラブルの芽を摘み取ることができます。

たとえば、「遅刻が多い社員に対してどう対処したらいいか。」などは、中小企業の場合、多くの経営者の共通の悩みでもあります。
1月に1回訪問して、些細な困り事の相談にのることが、単に給与計算をする社労士に比べ差別化でき、付加価値を付けることができます。

こうなると、経営者にとって、社労士は手放すことができません。
中小企業は、大企業と違って、少々の労務トラブルでも経営が傾きかねませんから、人事労務の相談事(3号業務)ができる「経営者のブレーン」となる頼れる社労士が求められています。

経営者の相談に乗るという点では、経営者の年齢に比較的近い社労士が好まれます。
そうなると、20代や30代の経営者よりも、もっと年齢が高い経営者が多いため、定年後の社会人経験が豊富な社労士の方が相談しやすいことになります。

「手続業務ができなくて大丈夫か?」と心配になるかもしれませんが、労基署、年金事務所、ハローワークとも、聞けば丁寧に回答してくれますので、この点は全くの初心者社労士でもなんとかなります。

定年前に前職で何をしていたかに関わらず(その道の専門的な業務に携わっていなくても)、開業が可能な一番の資格は「社労士」ではないかと考えています。

日本の企業数は約420万社ですが、中小企業が99%以上を占めます。
現時点でも、困り事や悩み事を抱える経営者は数多くいるに違いありません。
あなたというやる気に満ちた社労士を待ち望んでいる経営者がきっといます。
チャレンジしてみてください。



2026年09月09日

次のような質問は、毎年聞かれるものですので回答を掲載しておきます。


[質問内容]

標準的な学習時間はどの位を設定されていますか?
合格に必要な時間ではなくて、講座を一通り完了させるのにどの位必要か?という質問です。


[回答]

基本的に、インプット講義の場合には受講後1週間以内にその倍の時間の復習を、アウトプット講義の場合は講義及び演習に要する時間の倍の時間の予習をお願いしています。

たとえば、労働基準法①②の講義を受講した場合、講義に要した時間は「2.5時間×2コマ=5時間」ですから、次の講義視聴までに、その倍の10時間の復習をしていただくという形となります。

このように考えますと、全ての講義の時間の合計は「200時間超」となりますから、その講義に伴う予習・復習の合計時間が、「200時間超」×2≒450時間(50時間ごとの繰り上げ)となりますので、合計650時間となります。

あとは、直前期には特に、「プラスα」の学習時間をどれだけ上積みできるかということになります。

700時間~800時間程度を見込んでおいてください。


2026年09月07日

次のようなご質問をいただくことがあります。

<質問>
学習時間を増やす工夫はありますか。
合格している方は、仕事をしながら、どのように学習時間を確保しているのでしょうか。


次のように回答させていただきました。

<回答>

① 細切れ時間・手待ち時間の有効活用

学習時間を増やす手段としては、やはり細切れ時間・手待ち時間を有効に活用することにつきるので、仕事の合間などの時間に、テキストを読んだり問題を解いたりすることになると思います。
そのためには、思わぬ空白の時間が生じた際に、手元にいつもテキストや問題集等の学習グッズがすぐに準備できるかどうかにかかっています。



② 集中力が高まる時間帯を見極め、場所を定める

一定の学習時間が取れるのであれば、量(時間)を今以上増やすことより、質(集中力)を高めることを考えてください。

まず、「はかどる時間帯が『いつ』なのか」を考えてください。
自分は朝型なのか、夜型なのかを見極めてください。

続いて、「はかどる場所が『どこ』なのか」です。
自宅なのか、それとも外の方がはかどるのか。

場所については、自宅と外とできればどちらも利用すべきでしょうが、どちらに重きをおくかです。
家の中よりも外の方が学習がはかどる人の場合は、図書館や自習室、コーヒーショップ・喫茶店などを利用することになるでしょう。

ただし、ひとえに喫茶店と言っても、明るさ、すわりごごち、隣の人との距離、タバコの煙、流れてくる音楽など、自分が集中できる環境かどうかを見定めないとなりません。

集中できる時間帯と場所を定めることで、同じ学習時間でも学習効率が断然違うことになります。



③ 目的意識を持つ

社労士の資格を取得したい目的意識を明確に定めると学習する時間が引き締まります。
この場合、「正の目的意識」を強く持つか、
「負の目的意識」を強く持つか、その両方を意識するかです。

・正の目的意識
 ・・・【将来の夢】社労士として、世の中の役に立つ仕事がしたい。
            [将来のなりたい姿]
・負の目的意識
 ・・・【現状打破】このままではいけない。
            [なんとかしないといけないという危機感]



④ 毎日の学習時間を記録する

毎日の学習時間を記録してみてください。
「トータル100時間を超えたぞ!」などと、節目には「自分へのご褒美」をあげてもいいでしょう。
数字が加わると、結構、励みになりますよ。



この①~④のいずれかでも実行できると、学習に弾みが付きモチベーションも上がります。
その結果、おのずと学習時間が増えることにもつながります。
ぜひ、実践してみてください。



2026年09月03日

今回の本試験に向けての直前期、しっかりと追い込むことができましたか?

直前期になって、どの科目もあやふやで、どこから手を付けていいのかわからないという状態になってしまう方がいます。


そういう方の多くは、インプットがしっかりと学習できていないまま直前期を迎えてしまったという方が多いように思われます。

インプット学習を、畑(家庭菜園のような小規模な畑を連想してください。)でナスを作ることを例としてお伝えしますと、きちんとクワで畑を耕してからナスの種を植える(こちらをAとします。)のと、耕さないでナスの種を植える(こちらをBとします。)のでは、春先の4月位までは同じように成長するのですが、耕さないでナスの種を植えたBの方は、5月になると成長が急に止まります。

というのも、根が土の奥深くまではっていくことができないため、養分や水分を十分に吸収できないからです。

一方、きちんとクワで畑を耕してからナスの種を植えたAの方はというと、地中深くまで根をはっていくことができるため、5月以降も成長を続け、夏場には大きなナスが実ります。

Aの場合には、台風に備えること、害虫を駆除すること、水をやることという手間だけで、立派に成長できるわけです。

Bの方はというと、5月以降にいくら世話をしたとしても手遅れです。

このように、最初のインプットの際に、どれだけ土を耕していくことができるかが、大きな収穫になるか否かの分かれ道となります。

佐藤塾では、このような土を耕して種を植える地道な作業を全部で47区画行っていきます。
(労基6区画、安衛2区画、労一4区画、労災5区画、雇用5区画、徴収3区画、健保6区画、社一4区画、国年6区画、厚年6区画の全47区画)

こうやって地道な学習をしていくと、直前期となる5月には、やるべきことが見えてきて、落ち着いて学習していくことができるようになります。

Bの方はどうかというと、10科目の学習を皿回しに例えると、労基法の皿がぐらぐら揺れていて何とかしないといけないと思っている矢先に、健保、雇用、安衛と、次々に皿が揺らいで落ちそうになります。

その都度、落ちないように補強を繰り返すことになりますが、「労多くして益なし」のように、学習時間が多い割には、「傷の手当」だけに奔走することになりますから、くたくたになってしまいます。

焦りも伴い、不安な気持ちが先行して、地道な学習ができなくなってしまいます。

今から行うインプット学習を確実に実践していくことが、直前期の学習にも影響してくることになります。

[参考]
・
最初のインプットこそが重要その1
・『繰り返し学習』による記憶への定着について


2026年08月26日

本試験の択一式の得点が思わしくない方の中に、「問題演習不足」を第一の原因に挙げる方が多く見受けられます。

確かに、問題を解く量が少なかったことも択一式の得点が伸びない原因のひとつであるとは思いますが、多くの方に見受けられる誤った認識に、「自分はインプットはできている。」と思ってしまっていることです。

昨日のブログ(『繰り返し学習』による記憶への定着について )で、記憶力の算式について書かせていただきました。
K(記憶力)=I(信号の強さ)×R(反復)

この算式でいうと、問題演習を多くするということは、「R(反復)」に力点を置くということになります。
ex.「2026年向けの学習では過去問を3回、回しただけだったので、来年に向けては10回、回すようにしよう。」等。

しかし、今が直前期であれば、「R(反復)」に軸足を移すのはうなずけますが、まだ本試験まで約1年ほどの期間がありますから、インプットをじっくり習得する時間があります。

元々、インプットとは、例えて言うなら、タンスに服など(上着、ズボン、靴下、シャツ、パンツ等)をどれだけ多く、整理してしまうことができるかをいい、アウトプットとは、タンスにしまわれた服などを、どれだけ早く正確に引き出しから取り出すことができるかを指しますから、インプットで、たとえタンスに多くのものをしまえたとしても、整理して入れていないと、引き出すときに時間がかかることになってしまいます。

反対に、インプットでしっかりと服などを整理してしまえたとしても、その量が少ないと、引き出しに何が入っているかはすぐにわかっても、探したい物が元々入っていないため取り出すことはできません。

ex.タンスの中にある「赤い靴下」を探そうとする場合に、靴下がしまわれている引き出しは簡単に見つけ出せても、元々、「赤い靴下」が入っていないと引き出せない。

この時期は、まずはインプット学習で、試験で問われる知識をより多く、整理して習得していくことが肝心です。
そのうえで、反復していくことができれば、かなりの得点アップが見込まれるはずです。

「自分は今年の本試験に向けた学習でインプット学習は十分やってきたので心配ない。」と思われている方であっても、再度、「引き出しの中のものを増やすことと整理すること」ことを心がけてみてください。
抜け落ちていたところや、間違った認識で理解していたところが見つかるかもしれません。

実はこの点に関しては、本試験択一式で50点以上の得点を取ったにもかかわらず、選択式で合格できなかったという人ほど、インプット学習を大事にします。
そういう方は「インプットが十分なんてとんでもない!!インプットが不十分だったから合格できなかったんです。」と明確に言葉にだされます。
学習開始のこの時期にこういう言われ方をした方は、ほぼ間違いなく次年度に合格しています。

ところが、「自分はインプット学習は十分やってきたので心配ない。」などと思っている人の本試験択一式の得点状況は、だいたい37点~43点位の方に多く、この場合、問題演習の繰り返しだけでは得点を伸ばすことができない結果に終わる可能性が高いようです。

インプット学習を大事にしていくことが、実は合格への近道となります。